糖質を尿として排出する、SGLT2阻害薬フォシーガ錠


フォシーガ錠は、SGLT-2阻害薬という2型糖尿病の薬の一種です。SGLT-2阻害薬は尿から余分な糖分を排泄する作用により、血糖値の調整をおこなう薬です。
通常血液の糖分は、腎臓の糸球体(しきゅうたい)と呼ばれる身体の必要なものと、不要なものを振り分けるフィルターを通過して、尿として排泄され、尿細管(にょうさいかん)という場所で再び吸収されます。
SGLT-2阻害薬はこの尿細管での糖の吸収を抑えて、体内の余分な糖を排出する働きがあります。食事を減らさず糖質制限ができることから、美容クリニックにおいてはメディカルダイエットで処方されている薬です。

メディカルダイエットでは、1日あたり約70g(約280kcal相当)の糖質を、尿として排出する効果が期待できることから注目を集めている薬剤(2型糖尿病治療薬)がフォシーガ錠です。
副作用のリスク、低血糖のリスクも比較的低く、安全性の高い薬ではありますが
ダイエット目的での使用には、必ず医師による適切な管理が必要になります。

@ 糖分を尿として排出する
フォシーガは腎臓での糖の再吸収を抑制することで、余分な糖を尿として体外に排出します。
通常、腎臓でろ過された糖は体内に再吸収されますが、フォシーガはこの再吸収を抑えることで、
1日あたり約70g(約280kcal相当)の糖質を尿として排出する効果が期待できます。
A 緩やかな体重減少
フォシーガ錠を使用することで、緩やかな体重減少にも期待できます。糖の尿中排出により、実質的なカロリー制限と同様の効果が得られます。
1日約280kcalのカロリー消費が期待でき、約4週間程度で体重減少効果が現れ始めるでしょう。
急激な体重減少ではなく、緩やかな減少が特徴で、より健康的な体重管理が期待できます。
ただし、効果には個人差があり、食事内容や運動習慣によっても変化します。
B コレステロールや中性脂肪値が下がる
フォシーガ錠のダイエット効果として、コレステロールや中性脂肪値の低下も期待できます。
余分な糖が体内で脂肪として蓄積されるのを防ぐことで、血中の脂質代謝が改善され、特に中性脂肪値の低下が期待でき、コレステロール値の改善も報告されています。

C 脂肪肝やむくみの改善
フォシーガ錠を使用することで、過剰な糖の排出により、肝臓への脂肪蓄積が抑制され、脂肪肝の改善が期待できます。また、浸透圧利尿作用により、むくみの軽減効果も期待できます。
ただし、過度な水分損失を防ぐため、十分な水分補給を心がけて下さい。
D 腎臓の保護作用
腎臓での糖の再吸収を抑制することで、高血糖による腎臓への負担を軽減する可能性があります。また、血圧低下作用も報告されており、腎機能の保護に寄与する可能性があります。このような作用は、長期的な健康維持に重要な役割を果たすと考えられます。


フォシーガ錠の有効成分である「ダパグリフロジン」には、糖質を尿と一緒に体外へ排泄させ、中性脂肪の蓄積を防ぐ働きがあります。
食事量を変えることなく糖の量を減らせるため、糖質制限に近い効果が期待できます。 体重減少だけでなく、脂肪の付きにくい体質へと変化していきますので、引き締まった身体づくりに効果的です。
本来は糖尿病の治療に用いる薬ですが、ダイエットに効果的という研究が複数報告されており、ダイエット外来のある医療機関で処方されています。
フォシーガ錠の服用による糖の排出量は1日あたり約200〜500kcalです。
1か月間フォシーガ錠を服用した場合は6,000〜15,000kcalが消費される計算になります。
体重1sの減量には約7200kcalの消費が必要になるため、フォシーガ錠を服用することで単純に計算すると1か月約1〜2sの減量が期待できます。
同等のカロリーを消費するためには、毎日1時間の運動が必要です。
肥満の場合は基礎代謝が落ちているため、同じようにカロリーを消費するにはさらに運動量を増やさなければなりません。

フォシーガ錠の効果がいつから実感できるかは個人差がありますが、2週間〜1ヶ月頃より少しずつ体重に変化が現れます。
フォシーガ錠の有効成分である「ダパグリフロジン」の血中濃度は、服用後1時間でピークに達します。 そのため服用から約1時間で糖質の排出効果が現れますが、体重の減少を実感するには時間がかかるものです。
フォシーガ錠5mg・10mgを用いた臨床試験では、食事制限なしで1ヶ月-0.5kg前後の体重減少があり、24週間(約6ヶ月)で約-2〜3kgの減量が確認されています。
フォシーガ錠は服用を続けることで体重の減少が実感できるため、すぐあきらめずに継続することが大切です。
フォシーガ錠の効果持続時間は、24時間 です。
服用から8〜12時間後を境にゆるやかに効き目は落ちていき
24時間が経過すると効果をほぼ失います。


フォシーガ錠のダイエット効果をさらに高めるための方法は以下の通りです。
@ 運動について
運動といっても、軽いウォーキングや階段の使用を習慣づける程度で問題ありません。糖尿病を改善するために推奨される運動量は以下です。運動量の目安としてください。
100/分(50歳以上)程度
自分の中で「ややきつい」または
「楽である」と感じる程度が目安
A 食事について
食事に関しても、日常の食生活を改善する程度で問題ありません。
普通盛りに変えてみたりする
色の濃い野菜も混ぜる
抑えやすく、腹持ちも良くなる

フォシーガ錠の効果的な飲み方と、飲むタイミングは以下の通りです。
夕食時でも効果が持続します
就寝前の服用は控えましょう
フォシーガ錠を飲むタイミングは、食前・食中・食後のいつでも構いません。フォシーガ錠をいつ飲むかお悩みであれば、1日3食(朝・昼・晩)なら、朝に服用すると糖質カット効果を最大限に活かせます。
飲み方のポイントとして、水分を多く取り尿をたくさん出すことでフォシーガ錠の副作用であるカンジダを予防できます。
ただし、フォシーガ錠は腎臓(近位尿細管)に働き利尿作用があるため、就寝前の服用は控えてください。 就寝前に服用すると夜中にトイレで目が覚める原因となる可能性があり、服用のタイミングには注意が必要です。

ダイエットが目的の場合、自己判断で10mgを服用するのはおやめください。
フォシーガ錠は、ダイエットを目的とした場合、5mg錠の処方で十分とされています。
用量が多いからといって、ダイエット効果がより強く発揮されるわけではありません。
むしろ健康な方が高用量を使うことで、副作用のリスクも高まります。適した服用量については医師が判断するため、自己判断で用量を増やすのはお控えください。
炭水化物の摂取を極端に減らすと、重篤な副作用(正常血糖糖尿病ケトアシドーシス eDKA)を引き起こす可能性があるためご注意下さい。
炭水化物の比率が40〜55%くらいになるように調節すれば問題はありません。
フォシーガ錠の主な副作用は以下の通りです。
● 5%以上 → 性器感染(膣カンジダ症など)
● 1〜5%未満 → 尿路感染(膀胱炎など)、体液量の減少、便秘、口やノドの渇き
頻尿、尿量増加、陰部のかゆみ
● 1%未満 → 下痢、腹痛、悪心、頭痛、発疹
フォシーガ錠の重篤な副作用は以下の通りです。
● 低血糖 → 手足のふるえ、冷や汗、動悸、疲れやすい、不安感 など
● 腎盂腎炎 / フルニエ壊疽 / 敗血症 → 寒気、発熱、脇腹や背中の痛み、関節痛・筋肉痛、陰部の圧痛・赤み・腫れ・高熱 など
● 脱水 → のどが渇く、めまいがする、疲れやすい、食欲がない など
● ケアトドーシス → 吐き気や嘔吐、腹痛、激しいのどの渇き、倦怠感、息切れ、意識の低下 など
服用中に上記のような症状があらわれた場合や異変を感じた場合は早急に医師に相談してください。